Arisaema mairei
S. Schuan
Arisaema mairei H.Lév.
Cat. Pl. Yun-Nan: 10 (1915)
-Synonym-
・Arisaema maireanum Engl. in Pflanzenr., IV, 23F: 161 (1920)
・Arisaema wumengense H.Li, Q.T.Zhang & L.S.Xiein Kew Bull. 55: 421 (2000)
中国はSichuan南部、Yunnanの1500m〜2000m付近の湿った草地に分布する特徴的な種。
なお、四川白花姫テンナンショウとして流通しているのは本種である。A. saxatileの学名が併記されることも多いが、別種であり、これは誤りである。
仏炎苞は白色で安定、まれに緑色がかることもある。
仏炎苞は葉と同じかそれより高い位置で展開する。
根茎は球形で、よく分球する。
葉は1〜2枚、小葉は5〜7枚で掌状複葉。
小葉は中央を除き無柄、中央の小葉は有柄であることがあるが、他の基部は癒着することもままある。
偽茎はやや発達し、偽茎開口部から花柄を出す。
種内変異であるが、四川省南部の個体群は仏炎苞開口部口辺が外側に巻き、舷部は顕著に垂れる。雲南省の個体群は舷部はやや立ち上がり、開口部口辺の巻きはやや弱いが、明確に識別することは困難。なお、トップの画像は四川省南部の個体である。以下は雲南省の個体。
Arisaema mairei
Kunming, Yunnan
国内で広く流通する個体は四川省南部の個体群が過去山採りで入荷していたものと思われる。
A. saxatile、またやや類似するA. aridum、A. yunnanense、A. prazeriなどとは仏炎苞が緑色で安定しているほか、分布域、小葉の枚数/形態などからはっきりと識別できる。